ソン・ヘギョ|沈黙が映し出した人間性と再評価

ソン・ヘギョが、最近ますます美しく輝いています。

同年代の女優と比べると、彼女にはどこか、ソン・ヘギョだけの特別な雰囲気があるように感じます。

いろいろな人生経験を経たからこそ、今はその美しさだけでなく、人間性そのものが改めて注目されているのかもしれません。

そして何より、40代の今がいちばん自然体で、すごく魅力的なんです。

私がいちばん好きな女優、ソン・ヘギョについて語ります。

知れば知るほど、その魅力に引き寄せられてしまう人です。


目次

10代からスターとして生きるということ

ソン・ヘギョは、母子家庭で育ったことを公にしています。

母親からは、「反抗期がなかった」と言われていたそうです。

インタビューでも、「いつも人を優先してきた」と語っていたことがあり、幼いころから自分の感情をコントロールできる人だったのかもしれません。

高校生のときに制服のオーディションでデビューし、『秋の童話』がヒットして以来、10代の頃からずっと第一線で活躍してきた女優です。

当時のインタビュー映像を見ると、今とは違って、とても早口で話しているのが印象的です。

ドラマの撮影現場でも、「もう少しゆっくり話して」と何度も注意されたことがあったそうです。

今の、ひとつひとつ言葉を選ぶような話し方を見ると、きっと時間をかけて身につけてきたものなんだろうな、と思います。


ソン・ヘギョの恋愛とキャリア

20代、30代になると、ソン・ヘギョは女優としてのキャリアを着実に積み上げていきます。

ラブコメ作品が続けてヒットし、「ソン・ヘギョといえばラブコメ」というイメージが強く定着していった時期でもありました。

一方で、「演技が一辺倒だ」「何を演じてもソン・ヘギョのまま」といった評価を受けることもありました。

彼女自身も、自分の演技に飽きてしまった時期があったと話しています。

同じような表情、同じような感情表現。

「自分ですらこんなに退屈なのに、視聴者はどれだけ退屈だろう」

そう感じて、女優をやめようかと思ったこともあったそうです。

また、私生活についても、「共演者キラー」「恋愛体質」といった言葉が彼女のイメージとして消費されるようになりました。

ただ、たくさん恋愛をしてきたかどうか以上に、私が気になるのは別のところです。

それは、彼女の近くにいた人たちが、時間が経っても彼女を悪く言わないこと。

『ザ・グローリー』で共演したチョン・ソンイル、10代のころに共演したソン・スンホンは今でも交流があり、彼女の人柄を「本当にいい人だ」と話しています。

画面の中の美しさだけでなく、実際に接すると、もっと魅力的な人なのではないか。

「共演者キラー」という言葉の裏側には、そう思わせる理由があるような気がします。


結婚と離婚、そして沈黙

結婚と離婚を経験したあと、世間ではさまざまな噂や悪口が飛び交いました。

それでも、彼女は反論せず、説明もしませんでした。

その頃、長い付き合いのある作家に相談したそうです。

「まず、自分自身を愛しなさい。自分が自分を好きになれたら、もっと愛される人になる」

その言葉をきっかけに、彼女は毎晩、「今日あったいいこと」を10個書き出すようになりました。

最初は、何も思い浮かばなかったそうです。

作家に相談すると、「今日は天気がよかった、ペットが元気だった、それだけでも十分じゃない」と言われ、はっと目が覚めたと話しています。

それ以来、そうした些細なことに幸せを感じるようになり、自然とたくさん書けるようになっていったそうです。

この習慣を、彼女は5年間、毎日続けたそうです。


自分の声を聴くということ

毎日の積み重ねのなかで、彼女は少しずつ自分の声を聴けるようになっていきました。

それまで、自分の気持ちは後回しにしてきた。

でも、自分の感情に従って動くようになると、「幸せが2倍になった」と語っています。

母子家庭で育ち、母親から「思春期がなかった」と言われていた彼女。

感情を外に出すよりも、自分の中で律してきた人なのだと思います。

それが、「演技が一辺倒」「どれも同じ」と言われてしまった理由のひとつだったのかもしれません。

昔、バラエティ番組で「昔の恋人に、刑務所にいるみたいだと言われて別れた」というエピソードを語っていました。

感情をあまり表に出さず、常に自分をコントロールしてきた彼女だから、当時の恋人にはそう映ったのかもしれません。

そうした言葉を知るたびに、世間で語られてきた噂と、私が感じてきたソン・ヘギョの人格とのあいだには、距離があるように思えてきます。


『ザ・グローリー』と再評価の時間

そんな、自分の声に耳を傾ける時期に出会った作品が『ザ・グローリー』でした。

ずっと挑戦してみたかったジャンル。

これまでのように、顔だけでは勝負できないと思い、彼女はこの作品に向き合ったそうです。

今まで演じたことのない、強い感情のシーンに挑戦したとき、自分でも見たことのない表情をしていることに気づいたそうです。

撮影期間中も、演技がとても楽しかったと語っています。

そして『ザ・グローリー』は、第2回青龍シリーズアワードで大賞を受賞。

受賞スピーチで、彼女は自分自身にこう言いました。

「ヘギョ、よく頑張ったね」

そのとき、初めて自分自身を褒めたそうです。


今、自然体でいるということ

復活、という言葉よりも、私は「再認識」という表現のほうがしっくりきます。

いまのソン・ヘギョは、若い女優たちとも自然に交流し、とても穏やかな表情をしています。

今まででいちばん自然体で、その余裕のある佇まいから、自分自身を大切にしていることが伝わってくるように感じます。

長い時間をかけて、自分の声を聴き、自分を愛することを覚えた彼女。

その生き方すべてがかっこよくて、私はやっぱり心をつかまれてしまうのです。

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